人間ドックを受けて、検査結果が出るまではドキドキハラハラと心配ですが、検査データを見てもその検査が何を表しているのかは、なかなか理解できません。基準値よりも高いか低いかだけを見て、生活習慣の見直しが必要なのか、再検査なのか、治療が必要なのかと医師の説明を聞くといったところでしょう。GOT(AST)やGPT(ALT)やγーGTPが肝機能の検査だと言うことくらいは多くの人が知っていますが、基準値よりも1オーバーしただけで慌てる人もいれば、20オーバーするくらいは大丈夫だと気楽に考える人もいます。GOT(AST)やGPT(ALT)は高くなればなるほど病状が悪いのか、という疑問ですが、重症の急性肝炎では2000を超えることもあります。

ほとんどの急性肝炎が1000を超えます。慢性肝炎やアルコール性肝炎では1000を超えることは少ないです。急性肝炎ではGOT>GPTですが、落ち着いてくるとGOT<GPTとなります。肝硬変や非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)ではGOT、GPTは軽度の上昇に留まることがほとんどです。

脂肪肝や慢性肝炎や自己免疫性肝炎では、GOTは正常でGPTのみがほんの少し高いというケースが多いです。従って、GOTやGPTが高いから病状が重い、低いから軽いとは一概に言えません。また、GOT、GPTの上昇は、肝疾患以外でも見られる事があります。筋疾患や溶血、ショック、重症の膵炎、甲状腺機能低下症などでも上昇します。

その場合はほとんどがGOT>GPTとなり、LDHやCK、アミラーゼなど他の検査項目にも異常がみられます。人間ドックの結果、検査データに僅かな上昇がある場合、「たかが10ほど高いだけではないか」と放置する人も少なくないようですが、再検査を指示された場合は放置せず再検査を受けましょう。人間ドックは受けるだけではなく、結果を有効に生かすことが重要です。

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